検査結果の読み方
検査を受けても、数字の意味までは説明されないことがあります。ここでは各項目について「何を目標にするか」「その値が意味すること」「注意点」を、生殖医療専門医が整理しました。
意味すること:残っている卵子の数の指標。1.0未満は低め、1.0〜2.0はやや低めとして扱われます。
注意点:卵子の「質」は分かりません。数が少なくても質は年齢相応です。低用量ピル内服中は正確に測れません(3ヶ月中断してから測定)。
意味すること:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性を評価する目安(日産婦2024基準)。
注意点:AMHが高いだけでは診断できません。月経異常・エコー所見・ホルモン値の全てを満たす必要があります。40歳以上では高値判定を行いません。
意味すること:FSHが高いと卵子の残り数が少ない可能性。LHがFSHより高い場合、月経不順があれば排卵が不定期になっている可能性。
注意点:月経中でも前周期の卵胞が残っている(遺残卵胞)とE2が高く出ます。その場合は再検査を。
意味すること:高いと月経不順・不妊・流産の原因になります。内服薬で正常化できます。
注意点:日内変動が大きく、30を少し超える程度なら再検査。50〜100 ng/mLと高値なら頭部MRIが必要なことがあります。
意味すること:正常範囲にコントロールすることで、流産・早産のリスクを下げられます。
注意点:上昇していれば追加採血のうえチラーヂンで調整。極端な高値・低値は甲状腺専門施設へ。
意味すること:IgG陽性=過去に感染、IgA陽性=現在感染。治療歴がなければ現在も感染している可能性があり抗生剤で治療します。
注意点:PCRが陰性でも、卵管やお腹の中に広がっている可能性は否定できません。パートナーの同時治療で再感染を防ぎます。
意味すること:32倍未満ならワクチン接種が推奨されます。
注意点:生ワクチンのため接種後2ヶ月の避妊が必要。パートナーの抗体も確認を(男性は接種後の避妊期間は不要)。
意味すること:母子感染と性行為による感染を確認します。
注意点:陽性の場合は専門の施設で精査が必要です。
意味すること:欠乏と診断された場合は1日25〜50μg(1000〜2000単位)を補います。周期の安定や着床環境への好影響が報告されている栄養素です。
注意点:脂溶性で体内に蓄積するため過剰摂取に注意。補充開始から1〜2ヶ月で再検査を。
意味すること:陽性だと精子の動きを止めてしまい、自然妊娠の可能性が極めて低くなります。
注意点:ほとんどの人は陰性です。程度によっては体外受精が必要になります。
意味すること:ASC-US/LSIL等は異形成の疑い、HSIL/SCC等はがんの疑い。正常以外は専門施設で精査します。
注意点:正常な細胞からがんになるまで5〜10年。1〜2年ごとの検診でがんになる前に見つかります。
意味すること:卵巣と子宮の状態、進行した子宮内膜症や子宮筋腫の有無を確認します。
注意点:初期の子宮内膜症はエコーに写りません。月経痛が強ければ、画像が正常でも治療の対象になります。
意味すること:精子と卵子が出会う場である卵管の通り具合を確認します。
注意点:通っていても卵管の機能までは分かりません。子宮内膜症の有無も分かりません。
意味すること:量・濃度・運動率・形態を確認します。男性因子は不妊原因の最大半数に関与します。
注意点:1回の検体では判断しません。基準値は「妊娠させた男性の下位5%タイル」であって合否ラインではありません。